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読書初心者とこれから本を読み始める人へ「読書は『アウトプット』が99%」【書評】

アウトライン

  1. はじめに
  2. 本の概要
  3. 本の要約
  4. 本の感想
  5. こういう人におススメ

はじめに

 最近、本を読む習慣がついたものの、読んだだけで終わっているコトに歯がゆさを感じていました。そうなると、せっかく本を読んでも「これでいいのかな」という気持ちがついて回ってくるんです。もっと自信をもって気持ちよく読書をしたいと思い、手にとった本が「読書は『アウトプット』が99%(藤井孝一)」です。 

 

本の概要

 本書は、経営コンサルタントの藤井孝一氏が、本の選び方からアウトプットの仕方までを説く読書法の本です。タイトルは「アウトプットが99%」とやや極端ですが、実際の中身はそれほどアウトプットに依って書かれているわけではありません。5章だてで、アウトプットについては2章分、その他普遍的な読書法については3章分割かれています。一般的な読書法の本だと考えてよいでしょう。特徴的なのは、ビジネスパーソン目線で読書の効能がたくさん語られているため、自己啓発を目的としても読むこともできる点です。

 

本の要約

①アウトプットを行なう意味

〈読んだ本が役に立つ〉

学んだ内容を発信することで、本で得た知見があなたの自身の血肉となります。本の内容をアウトプットすることで、本の付加価値をより高めることができます。

〈知識から知恵を産む〉

本から得た知識は人のために活かしましょう。本を読んでアウトプットをせず知識ばかり蓄えていくと、他者を見下す頭でっかちな人になりかねません。読んで得たものを人に伝えましょう。そうすれば「知識」は「知恵」へと変わっていきます。

〈要約力がつく〉

本から学んだ内容をアウトプットする過程で要約力がつきます。本の内容を発信するためには、数百ページに及ぶ文章の中から、重要なメッセージや概念を選抜する必要があります。その過程で「1番大事なことは何か」を見極め言語化する力がつくようになります。
要約力はビジネスパーソンにとって欠かせないスキルです。コンサルの仕事においては、顧客の話を聞きながら、「1番のニーズは何なのか」「現状の問題点は何か」を理解し、かつシンプルに表現できる必要があります。アウトプットを意識しながら本を読むことで「この章で言いたいことは何か」考えるようになり、ビジネスに活きる要約力が身につきます。

②アウトプットの仕方

本のアウトプット方法は3つあります。

〈話す〉

本の内容を話してみましょう。友人に、今日の出来事を話すかのように本の話題を振ることが大事です。話すことでより鮮明に記憶されますし、自分が理解できていない部分も明らかになります。読書会に参加、あるいは自分で開催してしまうのも良いでしょう。

〈書く〉

本を読んでいる最中や読み終わった後、本の感想や考えたことを書いてみましょう。書くことによるアウトプットの仕方は、大きく3つに分けることができます。

(1)「本に書き込む」

本を読みながら考えたことや良いと思ったポイントを直接余白に書き込んでしまいましょう。実際に手を動かし、ペンを持ち、線を引き、自分の意見を書き込むことで、本の内容だけでなく、自分の意見や感情とセットで記憶することができます。

(2)「読書メモを取る」

本から学んだことや重要だと思ったことを紙に書き出します。本の内容全てが役に立つことは稀ですから、自分用の学びをまとめたノートを作っておくと復習しやすくなるでしょう。

(3)「書評を書く」

読んだ本の内容や批評をまとめて公開すれば、自分の記憶に残るだけでなく、他の人にも役立ちます。そして、他者を意識して文にまとめる過程で文章力も養われます。本の要約のコツは「何が書いてあったか」「そこから何を学んだか」「それをどう活かすか」をまとめることです。書評を公開する媒体は、ブログやメルマガやSNSなどを使いわけましょう。 

〈実践する〉

読書法や時間術のような本ならば、実践することがアウトプットになるでしょう。本の内容が直接アウトプットできるタイプの本であれば、「実践する」が1番理想の形です。

 ③本の選び方

〈文芸書を読もう〉

人の上に立つリーダーは、人を感動させ、人を動かす表現力を持っています。こうした人間の感情の幅や表現を学べるのが小説や伝記などの文芸書です。また、小説はその場面や情景を自分の頭の中に投影しながら読むため、想像力も鍛えられます。相手の気持ちを汲むためには、想像力が欠かせません。人の気持ちを掴み人を動かすには、文芸書を読んで感情表現力や想像力を鍛えましょう。

〈古典を読もう〉

古典は人間の本質やものごとの真理を捉えています。だからこそ、数百年、数千年に渡り人類に受け継がれているのです。すぐに陳腐化してしまうような流行りの本ばかり読むのではなく、長年に生きる知見を古典から得ましょう。

〈仕事に関係ない分野の本を読もう〉

自分を他人と差別化するために、人と違う勉強をしましょう。人と同じ本ばかりを読んでいても、発想や考え方は似通ってしまいます。そうなれば、いつまでも頭一つ抜けた発想をすることはできません。京セラの稲盛さんが「アメーバ経営*1」の手法を生物から得たように、日常的には普段触れない分野の本を敢えて読んでみましょう。 

④読書は人生を豊かにする

本には人生を変える力があります。筆者も、サラリーマン時代から「そんなに本を読んだって役にたたない」と言われながら、毎朝5時に起きて読書や学習を続けてきました。その結果、現在は独立し、起業家や中小企業のコンサルタントとして活躍しています。読書は最高のメンターなのです。いつも本によって励まされ、勇気づけられてきました。本ほど一つのテーマについて深く学び、考えられるコンテンツは他にありません。ぜひ、本の世界にどっぷりと伝わることの素晴らしさを味わってください。


※①~④の番号付は私が要約のために章立てしたもので、元の本の章立てとは全く異なります。

 

本の感想 

〈この本の面白いところ〉

 読書のノウハウだけでなく、サラリーマンを経て独立した作者の「サラリーマンたるもの本を読むべき」という、働き方に関する哲学が詰まっているのがいいですね。独立して働きたい、もっと成長したいというビジネス上の目標と、読書が繋がって書かれているので、読んでいてモチベーションが上がります。「サラリーマン時代は小遣いの5万円をほとんど本に使っていた」「朝5時に起きて読書の時間を作った」「会社員時代に中小企業診断士の資格を取った」というエピソードから作者の努力家ぶりが伺えます。

〈この本をどう活かすか〉 

特に役立つと思う部分は3つです。

一つは書評を書くための筆者なりのノウハウの紹介です。書評で抑える王道の流れが記載されていて、書評を書き始める人に役立ちます。もちろん、今書いているこの書評にも直に活かされています。

二つ目に、優秀な書評サイトや書評メール・マガジンの紹介です。これらは自分が普段触れない分野の本を買うのに役立ちます。自分で買う本はどうしても自分の嗜好に似通ってしまいますが、優れた書評サイトやメルマガは自分の読書の幅を広げるでしょう。

三つ目に、アウトプットについての筆者の考え方です。筆者は、「『小説』をどう仕事に役立てる?」という節の中で、

アウトプットの基本は、本の感想に終始せず、自分が何をどう学んだか、どう活かそうと思ったのか、自分なりの意見を加えるということです。

と述べています。この考え方には個人的に感銘を受けました。私は本を読み始めるようになってから、アニメやゲーム実況を視聴したいと思いつつも、「これは時間を浪費しているのかな」と思うこともありました。しかし、アウトプットを出すことをゴールとすれば、アニメのような媒体をインプットとしても、自分なりの論考を加えてアウトプットがだせれば、気にする必要は無いなと結論づけました。また、今度に見ているアニメの論考でも書いてみようと思います。


こういう人におススメ

本をまだ読んだことのない人や、本を読む習慣がつき始めた(1,2年くらい)方におすすめです。本を読み始めて1年経たないくらいの私には丁度刺さりました。ビジネス畑の方だからか、非常に読みやすい文章です。ノウハウも実践しやすいものがつまっていています。私は本が読む習慣がつく前に、読書法の名著「本を読む本*2」を大学の先生に薦められて読んだのですが、理解も実践も難しいと感じました。本を読み始めてまもない人が、普遍的な読書術を獲得するには「読書は『アウトプット』が99%」をおすすめします。逆に、本を読む習慣がついて数年たつような人には物足りないと思います。普段から本のアウトプットもできているような人は「本を読む本」や佐藤優さんのようなスーパーマンの読書法の本「読書の技法*3」を読むといいのではないでしょうか。

*1:アメーバ経営とは、現場の社員ひとりひとりが主役となり、自主的に経営に参加する「全員参加経営」といわれるものです。稲盛さんが経営に携わった京セラやKDDI日本航空など600社で導入され成果を上げています。(アメーバ経営 | 稲盛和夫 OFFICIAL SITE)より

*2:

 

本を読む本 (講談社学術文庫)

本を読む本 (講談社学術文庫)

 

 

*3:

 

読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門

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