一日一つ、変わってく

上京して働く業務システム開発エンジニアのブログ

自分が年老いた後のことを地に足ついて考えるのはムリ

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自分が年老いた後のこと
今日帰省した折に、久しぶりにばあちゃんの家に行ってさ。一人で。一人でばあちゃんの家にいったのは初めてだな。

いろんな話を聞いてて、途中でばあちゃんがなったガンの話になった。

ばあちゃんは3年前ぐらいから、身体のいろんなとこがガンになって。転移もしていて、ついに手術もできない、ってことになった。今後は、抗がん剤で、ガンの進行を抑える、って治療方針になった。


80近くまで生きてきたらしいけど、やっぱりガンになって、人生観が変わったんだって。


ガンになって、精神的にも、身体的にも辛くて。ずっとキツい思いをしていたんだと。


なんでこんなにつらいんだろう、キツいんだろうって思って。寝ていた時、あるときハッと目が覚めて気づいたんだって。

「あぁ、私、生きたいんだ。だから、つらいんだなぁ。」って。


生きたいからこそ、辛いって、分かってからは、ちょっと前向きになれたんだと。

80近くなるまでは、こんな歳まで生きるとか、生きたいとか思ったこともなかったと。

ただ、80歳になっても、予想より10歳ぐらいは全然若い気分だって。ハッキリ、死が怖いって。

生きたいなら、毎日寿命だと思って、感謝して生きようって。だから、あなたも、思いっきり好きなことやって、人生楽しみな、って言われた。




仲間うちで何歳まで働きたいか、生きたいか、という話になることがある。そういうとき、「俺は太く短く生きたい」「そんなに長生きしなくてもいいっしょ。80歳ぐらいまで生きれれば十分じゃない?」なんてセリフをよく聞くけれど。

全然、イメージできてなかったんだろうなぁって。60年後、50年後には死んでてもいいって、今だから言えることで。50年後、60年後なんて、非現実的な話で。自分で「死んでもいい」なんて言いながら、全然リアルに考えられていなかったんだろうな。

いざ、ホントに自分が80歳になったらどうだろう。意識もはっきりしているし、孫としっかり会話もできる。痛みもある。モノも考えられる。そんな状態なんだよな。そんな時、「明日死ぬ」って言われたら絶対いや、って思うんだろうな。


何が言いたいかって、安易に「80歳ぐらいで死ねたらいいな」っていうのはめっちゃ浅い思考で、判断なんだってこと。あと、気軽に、高齢者を邪魔者扱いして、過激な意見や言動はできないな、って。

高齢者って、未来の自分たちそのものだから。

これまで自分は、年老いた後のことか、今いる高齢者達のことを、まるで別の世界のヒトのことのように考えていたなぁって。ばあちゃんとしゃべっていて、気づいたのでした。

自分が高齢者になった世界のことを、その後でどう暮らすかということを、現実的にイメージするのは不可能に近い。平気で若者の口から「太く短く生きれればいい」っていうような言葉が散見されるのがその証拠だ。

だからこそ、高齢者にまつわることを考えるときは、きちんと謙虚にならないといけないなぁ。